【雑談】ヴェルカザールでの被ダメ2重計算問題（アルテミア問題）の解説と所感

6月 23, 20197月 31, 2019

追記：https://www.plug.game/kingsraid/1031511/posts/2838
　シーズン7の討伐戦で、この仕様が変更されることが決定しました。変更される理由については、この記事で予め書いていた通りです。
　また棺への防御ダウン無効、棺のHP増加、棺破壊時のボスダウン時間が長くなる調整などが同時に入るようです。
　アルテミア自体はナーフされていませんが、ヴェルカザールにおいては他のDDが優位になると思われます。
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ヴェルカザールの「被ダメ増加バフ」適用の話、思いのほか話題になっているので簡単に解説しておきたいと思います。
あくまで一個人の意見ですので、参考程度の雑談ネタということでお願いいたします。

追記：なんとなく勘違いしてるぽい方もいるので一言で言うと「今のヴェルカザールのダメージ計算方法がアルテミアにとってめちゃくちゃ相性が良い」という話です。
バグと言うよりはそれ以前の「ゲームバランスの設計段階」の問題だと認識しています。要はエンジニアなどの開発担当者じゃなくてゲームマスター的なレイヤーでの問題だと思います。

　

【前提とする情報】

・ヴェルカザールは、棺が受けたダメージを肩代わりする。
・アルテミアはS4に「英雄以外に与えるダメージが増加する」という自己バフを持っており、このバフは10スタックで70％、専用宝物込みで80〜95％まで上昇する。
・「被ダメージUP」効果は、クリダメバフや攻撃力バフとは完全に別枠で最終ダメージに乗算となるため、一般論としてクリダメバフや攻撃力バフがインフレすればするほど強さを発揮する。
（遺物の被ダメUP効果、カオスビースト装備の被ダメUP効果もそれぞれ全て別枠の乗算となる）

【どういう問題なのか？】

・海外ユーザーの間で、「DDが棺を攻撃する時」だけでなく「ヴェルカザールが棺のダメージを肩代わりする時」も含め、これらの被ダメUP効果が『2回適用されている』と指摘されている
・この結果、アルテミアは棺を経由してヴェルカザールにダメージを与える際に大きな恩恵を受けており、他の適性DDよりもダメージを稼ぎやすくなっている（トップレベルのダメージを出しているチームはすでに5兆超えを達成している）
・この事をバランス調整ミス、あるいはバグではないかと騒いでいるユーザーがいる

ざっくり書くとこういう話なのですが、ピンと来ない方もいると思うので補足していきます。

【参考：クリティカル補正適用の修正事例】

参考事例として、2019年1月のパッチノートで「処刑の棺の代わりに受けるダメージはクリティカルヒットが適用されないように変更されます」という記述があったと覚えていらっしゃる方もいると思います。
これは「英雄が棺を攻撃する時にはクリティカル補正が適用される」が、「棺のダメージをヴェルカザールが肩代わりする時にはクリティカル補正を適用しない」という改変でした。

【討伐戦】ヴェルカザール、ラクレール、ティルファス変更内容レビュー

ちょうど上記のアップデートは、ラブリル、エスカーを実装するタイミングに行われました。
この2人に共通しているのが、「味方のクリティカルダメージ量を増加させられるサポーター」であるということです。
（エスカーはメインDDに使うことも可能ですが別問題なので一旦置いておきます。）

これは推測ですが、「クリダメ補正を2回載せる仕様のままだと、新キャラ2人がヴェルカザールやザナドゥスで必須になってしまう」というような懸念があったのかもしれません。
「クリダメ系バッファーの実装」と「ヴェルカザールでのキャラ適性バランス」の両方を考慮した結果、敵の仕様の方を変更したという形に見えます。

（ただし周知の通り、この修正を行ってもなおラブリル・エスカーは必須級のサポーターになっています。もしこの修正が実施されていなければ、今よりも更にラブリル・エスカーの重要度が増し、人権級の必須キャラになってしまっていたと予想されます。逆に言えば、ラブリルやエスカー実装より後にこの改変を行っていたら大炎上になっていた可能性があります。）

しかしそのままではヴェルカザールに与えられるダメージの絶対量が減ってしまい、ユーザーのモチベーションに悪影響を与える恐れがありました。
そこで「HPが無限の処刑の棺」が再召喚されるという方式になり、同時にアップデートされることで大きな影響を与えることなくクリティカル2重計算の仕様が解消されました。

【被ダメUP効果の計算方法をイジりにくい事情】

前述のクリティカル補正計算の仕様変更は、特に誰からも文句を言われることなく実装されました。
どんなDDでもダメージを伸ばすためにクリティカルダメージopを積むのは当たり前であり、多かれ少なかれ平等に影響を受けるので特定キャラを使っている人が泣きを見る事がなかったからです。

（強いて言うならば棺の仕様変更でクレオが泣くことになりましたがそれは、クリダメ補正ではなく別の要因）

しかしクリティカルダメージの変更とは違い、被ダメUPの計算の変更は非常にデリケートな問題になっています。
『使用しているDDによって、計算方法の変更で受ける影響度合いが違う』からです。

もちろんカオスビースト装備、狂化の書などの遺物などは、どのDDでも平等に利用することができます。
しかしアルテミアのように大きな被ダメUPバフを持っている範囲DDは他にいません。

（アルテミアより小さい数値になりますがエスカーなどが一応持っています。）

つまり今になってこの仕様変更をするのはほぼ狙い撃ちでアルテミアをナーフするのと同じ事であり、WB3におけるセリアS1仕様の修正時と同じ状況になってしまうのです。

「今後はナーフせず、他のキャラのバフで調整していく」と宣言したVESPAにとっては非常にやりづらい話なのですが、それで納得できないユーザー（主に別の範囲DDを使っていたプレイヤー）が出てきているのも事実です。

平和的に「アルテミア以外の範囲DDにも被ダメUPバフを持たせ、同等の恩恵を受けられるようにする」という事も考えられますが、それはそれでヴェルカザール以外での戦闘における影響が考えられます。全ユーザーを納得させるのは非常に難しい問題だと思います。

【実際に修正された場合の影響について】

ただし、この修正が行われたとしても直ちにアルテミアがヴェルカザール適性外になるわけではありません。

「棺→本体の肩代わり時」に被ダメUP補正が働くなるだけであれば、棺を破壊する時には被ダメUP効果が適用されるはずです。
なので、改変によって棺破壊速度が遅くなるという事は理論上ありません。

（棺のHP増加など別の仕様変更があった場合は別です）
7/31追記→棺のHP増加も同時に行われることになりました。

つまり最終的なダメージが相対的に減るにせよ、立ち振る舞い自体は今まで通りということになります。

S4宝を使用したケースで見ると棺からの肩代わりダメージは4割以上減る計算になりますが、ヴェルカザール本体を直接攻撃する分のダメージは変わらないという事になります。
つまり全体の最終ダメージが4割減るわけではないので、「相対的に」影響を受けるのはどんぶり勘定ですがざっくり3割前後と言ったところでしょう。（他のDDも影響を受ける事に留意しましょう）
また大きく影響を受けるのはアルテミアだけであり、エスカーなど2人目のDDを入れていた場合はさらにこれよりも影響は小さくなります。

つまり今まで5兆前後のダメージを出していたチームであれば改変を受けたとしても今3兆〜4兆のダメージを出しているチームと同等のスコアは確保できるような見込みになります。
相対的なナーフだったとしても、十分に適性編成だと言えるでしょう。

【余談】

個人的にはゲーム環境は常に流動していくものだと思っているので、どちらに転ぶにせよ実際そうなった時に考えれば良いかな…というスタンスです。
討伐戦に関して言えばあくまでチームで取り組むものなので、アルテミアの適性が下がるなら編成を変えればいいし、強いままなら使えばいいし、ギルド全体のことを考えればそこまで大きな問題でもないかと思っています。

それを考慮してリスクヘッジしたり、投資するリソースを選び直すのもまたゲームだと思います。
なので「アルテミアは使用人口が多いから、調整するのはマズイぞ！」などと言うつもりはありません。
しかしどんなキャラであれ使用しているキャラに不利な変更をされるのは多かれ少なかれ悲しみを伴います。

これが仕様なのかバグなのか明文化された媒体は今のところなく、それは運営が決めることです。
「特殊な計算方法で恩恵を受けている！ズルい！」と思ってしまう方の気持ちもわからなくはないのですが、紳士的に建設的に考えていけたらなぁと思います。この問題。